「お茶を始めたいけれど、定期的に教室へ通うのは現実的に難しい」という方、お稽古場を探すのも大変ですよね。もっと気楽に自宅でお茶を楽しめたら、と思いませんか？
最初から自宅で茶道なんてできるのでしょうか？
結論を言うと、茶の湯の本質・茶会マナー・客のもてなしなどお点前以外の茶道を独学で学ぶのは難しいです。
しかし自宅でお茶を美味しく点てて、お茶を楽しむ時間を作りたい。
やり方次第でいくらでもできます。
今はお稽古に通うのは難しい。でもお茶を始めたい。
そんなあなたに少しでもこの記事がお役に立てれば嬉しいです。
自宅茶道ことはじめ
さて、では何からはじめればいいのでしょうか。
やみくもに道具を揃え、Youtubeなどで見よう見まねで始めても、それが正解かどうかもわかりませんよね。
ご自身でお茶を通してどのようになりたいか・どこを目指すかを明確にすれば自然と動き方は見えてくるかと思います。
ここではまず最初の一歩をご紹介いたします。
【自宅流】道具選びと初期費用を最小限に抑える方法
最初にあなたの目標は、まず「自宅で心地よく一服のお茶を点てられるようになること」のはずです。
具体的には、お茶を点てるために欠かせない「茶筅」「茶碗」「抹茶」「茶杓」の4品を揃えましょう。
最低限これがあればお茶を点てることはできます。
スタートはセットがおススメです。こちらの記事もぜひご参考ください。
＞ 茶道初心者 茶道具セットの完全ガイド！失敗しない選び方
これらはお点前の核となるため、機能面（抹茶をしっかり泡立てられるかなど）を重視します。
しっかりお点前の段取りを習得したいなら茶器（棗なつめ）、茶巾、袱紗（ふくさ）も必須です。
ですが、まず自身でお茶を点てることからスタートするためには「茶筅」「茶碗」「抹茶」「茶杓」で充分です。
これらの必須道具をセットで揃える場合の費用は、高品質な抹茶代を含めても、多くの場合1万円程度に収まることが見込まれます。
茶碗一つとっても、和モダンなデザインや北欧風のテイストなど、あなたの好みや価値観にフィットするものを選ぶことで、道具への愛着が湧き、きっとモチベーションも続くと思います。
道具を揃える場所としては、抹茶の鮮度を優先して老舗茶舗のオンラインストアを、茶碗などの器は、作家もののオンラインショップやECサイトから選ぶといいでしょう。きっと好みのものが見つかるかと思います。
茶碗は手に馴染むかどうかなど、実際手で触れてから購入することをおススメしますが、最初はまず安価のセットやデザインの好みから選ぶでいいでしょう。
自主稽古を成功させる！オンライン・動画を活用した学び方
自宅での自主稽古で、作法が自己流になるのを防ぐ結論は、「再現性の高いプロの動画を繰り返し見ること」と「定期的かつ客観的なフィードバックの機会」をセットで確保することです。本や図解だけでは、お点前（おてまえ）の「間合い」や「手の運びの滑らかさ」といった、茶道の美意識の核心を捉えることは困難です。
まずは、流派の「公式チャンネル」または「茶道専門家が監修した動画コンテンツ」を探し、手順ではなく「動作の意図」まで解説されているものを選びましょう。これにより、単に動作を模倣するのではなく、「なぜこの時、茶碗を回すのか」「なぜ道具を清めるのか」という根底にあるおもてなしの心を理解しながら練習を進めることができます。これが、教養と知的好奇心を重視するあなたにとって、飽きずに続けられる秘訣です。
自主練習は、ただ動画を再生するだけでなく、スマートフォンで自身の点前を撮影し、プロの動画と見比べる「セルフ・フィードバック」を実践します。しかし、自分の目だけでは限界があります。そこで、オンラインで個別の指導を提供するサービスを活用することを検討してください。
月に一度、30分でもプロの指導を受けることで、自己流で固まってしまう前に、癖や間違いを矯正できる可能性が高まります。きっと抹茶を美味しく点てるコツも教えてくれるはずです。
初心者必見！お茶を美味しく点てるコツ
茶道のお稽古となるとお茶の点て方というより、作法が中心となってきます。
お茶の点て方だけに集中できるのは自宅茶道の特権。
ここでお茶を美味しく点てるコツをお伝えしておきましょう。
1.準備
抹茶は買ってきたものをそのまま使うのでなく、必ず茶こしなどでふるってから使います。
抹茶を封を開けて、そのまま使うとダマになり、口当たりが悪くなり美味しく感じられません。
茶道教室などでは茶はき缶という、茶缶とふるいが一体化したものを使用しますが、自身のため一服ずつ使うのであれば100均ショップなどで売っている、茶こしや小さい粉ふるいなどで充分です。
茶碗は少しお湯を入れ温めておきます。
茶筅も使う前には必ず水に浸しておきます。（乾いたまま使用すると穂先が折れる原因となります。）
2.お茶とお湯を茶碗に入れる
お茶碗の温めのお湯を捨て、水分を拭き取ります。
水分が残っていると、抹茶を入れたときにダマになる原因になります。
抹茶：2ｇ（茶杓1.5～2杓）
お湯：80℃のお湯約60～70ｍL
抹茶をお茶碗に入れ、お湯を静かに注ぎます。
勢いよく入れると抹茶が茶碗の内部に飛び散ってしまいます。
3.茶を点てる
片手で茶碗の縁を押さえ、茶筅で細かく・早く混ぜます。
茶筅はまわすのでなく、Wの字を書くイメージで素早く混ぜます。
空気を含んでくると、細かい泡がたってきます。
泡立つと口当たりもまろやかになります。
茶の点て方は流派によって異なりますが、基本はこんな感じです。
お茶は抹茶とお湯だけで、ドリップコーヒーより手軽にできます。
不思議と点て方によって味も異なるので、自身で好みを見つけてください。
お湯の量が分らなければ大体3～4口で飲み切れる量と覚えておいてください。
ありがちなギモンと注意事項
道具はどこで買うのがおすすめですか？
初期の道具は、品質と価格のバランスが取れた「初心者セット」を扱うECサイトや、和雑貨店で購入するのが最も手軽です。
抹茶は鮮度が非常に重要であり、お茶の味が練習のモチベーションに直結しますので、老舗の茶舗（お茶の専門店）のオンラインストアから直接購入してください。
開封後、冷蔵庫などで保管しなるべく早く消費してください。風味がどんどん落ちてきます。
先生がいなくても、作法は正しく身につきますか？
冒頭でも記載しましたが、基礎の習得は可能です。
作法の流れは、裏千家や表千家などの権威ある流派の公式動画を繰り返し見て、自分の点前を撮影し比較することで独学できます。
ただし、お茶の作法は亭主（お茶を点てる人）と正客（一番客）、そのほかの連客との連携で成り立つため、動画などでの独学ではどうしても限界があります。
また、流派によってその作法も異なるところがあります。
どの動画を見るかは自由ですが参考のために主な流派をご紹介しておきます。
裏千家、表千家、武者小路千家「三千家」
千利休の血筋の流派で、他の流派は千利休を師とするものが立ち上げた流派です。
藪内流（やぶのうちりゅう）
遠州流（えんしゅうりゅう）
江戸千家流
石州流（せきしゅうりゅう）
などがあります。動画を選択する場合どの流派のものを選んでも構いませんが、色々な流派を横渡にするのはNGです。
繰り返しになりますが、三千家でもそれぞれ流儀が異なります。
色々しらべてご自身にあう、点て方を見つけてください。
以上、まずは第一歩。
ご自身のペースで進め、堅苦しくなく自由にお茶を楽しむことから始めてみてくださいね。
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